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あの頃のままに優しさだけを乗せて紡がれる名前。ねぇ、俺はどんな風に貴方の名前を呼んでたっけ? ―只今休止中
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小児病棟の昼休みは他の病棟に比べ賑やかだ。院内学級の低学年の子供達が楽しそうにしているのを見かけると安心する。「あ、ほくりくせんせーだ!」「せんせー!」「こんにちは。廊下は走らないでね」今にも駆け出し的そうな子供達だけれど、流石に院内の廊下を走らせる訳にはいかない。体を動かしたい盛りの子供達だけど、そのことによって体に異状をきたす可能性のある子だっている。その事実が少し切ない。「こんにちは、北陸先生。相変わらず大人気ですね」教室から顔を出したのはこの院内学級で働いているベテランの女の先生だ。「せんせー、あそぼうよ!」「いまおりがみしてたの!せんせーもつくろ?」「あー、ごめんね。先生今日は時間無いんだ。また、今度ね」遊びたい気持ちは山々だけれど、これから仕事があるから今は難しいんだよなぁ。「えー、なんでー!」「ぜったいだよ!ぜったいあそんでね!」ひしっ、と抱き着いて来た子供達の自分の腰辺りにある頭を撫でて、小さい子達は抱き上げる。教室に戻りながらも子供達はあーだこーだと話したり遊んだり言い合ったりと忙しい。どうかどうか、この子達が一人でも多く、ここから離れられますように。そう願ってやまない。子供達を全員教室に戻した所で、ポケットから呼出し音。「はい、北陸です」「あ、北陸?すぐ来て!急患!あと10分で到着だって」「了解しました」心配そうにこちらを見る子供達と眼が会う。「大丈夫だよ。じゃあ行ってくるね」なるべくにこやかに手を振って教室を離れる。確かこの時間帯は上越先輩は手術が入っていたはずだ。早歩きで院内を移動して、急患病棟へ。「遅くなりました」部屋には麻酔科の山形さんと秋田さんをはじめとした看護師さん達が控えていた。「患者は6歳の男の子、昼過ぎから急にお腹が痛いって言い出してるみたい。右の脇腹付近を押さえてる。母親も大分気が動転してるみたいだから誰かついていてあげて」テキパキと指示を出す秋田さん。流石の安定感だ。「じゃあ、あとはお願いね、北陸先生」「はい、任せてください」救急車の音は近くまで来ている。それに合わせて処置室は慌ただしくなっていく。一つ深呼吸。運ばれてくる子が重病でないことを願う。全ての子供が健康になってしまったら僕の仕事は無くなってしまうけど、それでも。昔の自分を思い出して頭を振る。余計なことは考えるな、僕は運ばれてくる子供の処置に集中すれば良いだけだ。「こちらにお願いします!」秋田さんの声と共に男の子が運ばれてきた。さぁ、頑張らないと。

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