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あの頃のままに優しさだけを乗せて紡がれる名前。ねぇ、俺はどんな風に貴方の名前を呼んでたっけ? ―只今休止中
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いつか、きっと。それが今になっただけだと亡くなりつつあるその国は言った。俺は、いや俺達は何処かで期待していたかもしれない。存在意義を失えば消えていくしかなかった永き過去から開放されたのではないかと。かつてほど消えることが無くなった国達と名と土地と民を失っても生きていた国がいた事実。けれど、そんな優しい世界では無かったということなのだ。いつだって世界は残酷さばかり押し付ける。今、決定権も何もかも俺達に、いや、あいつにある。国はどうやって死ぬんだい?と無邪気に聞いてきたその手の中に。国は死なねぇよ。返した声は少し震えていた。へぇ、そうなんだ。嫌な笑い方をするようになったものだ、目の奥が酷く濁っている。そう、国は死なない。ただ、消えるだけだ。服も髪も骨も何もかも消える。お前は味わったことがないんだろう、その恐怖を。足から感覚が無くなって、存在が希薄化していくのを。そして、目の前でただ見ていることしか出来ない無力感を。死亡書にゆっくりと名が書き込まれていく。身体中に染み付いているレクイエムが勝手に流れ出す。荘厳な音色が脳内で響いて反響する。叩き付けるような音が今頃恐怖と無力感を知っているの国達の中で暴れているだろう。名が全て書き込まれると、ペンは床に落ちた。椅子にはもう誰も座ってはいなかった。

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