あの頃のままに優しさだけを乗せて紡がれる名前。ねぇ、俺はどんな風に貴方の名前を呼んでたっけ? ―只今休止中
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いっそ清々しいまでに。そう在れれば幾分かこの人生は楽だっただろうか。助けられる命は少ない、その事実に直面した時自分は何なのだろうかと思考の泥沼に沈み込むことになる。救急救命に携わった後なんかは特に。研修医時代もそうだったなぁとソファの上で思う。慌ただしかった夜が明けての僅かな短い静寂。疲れ切った医師や研修医達が次々倒れ込む。数十分でも寝れれば幸運だ。もうすぐに通常の診察が始まってしまう。あぁ、でも眠いな。家に帰っても頼みの東海道は研修に出てていないから、全て自分でやらなくては。溜息しか出ないのは仕方ない。「山陽先生」短い休息時間の終了を告げに来たのは看護師の秋田だ。相変わらず白衣がよく似合う。中身は天使というより悪魔だが。「了解、今行く」声は疲労に満ちているが顔に出すわけにはいかない。壁にかけていた白衣を羽織って、深呼吸を一つ。さぁ、仕事だ。
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