あの頃のままに優しさだけを乗せて紡がれる名前。ねぇ、俺はどんな風に貴方の名前を呼んでたっけ? ―只今休止中
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3年生のいなくなったグラウンド、3年生のいなくなった部室。何かが足りない部活。皆不安で、思うようにいかない。先輩達はしごきに来てくれるけど、あの人が来ない。俺と準さんにとって絶対的なあの人が。投手ってのは微妙な生き物なんだよ、そう教えてくれたあの人が。俺は投手を準さんしか知らないから他の人はよく分からないけど、確かに準さんは微妙な難しい人だ。けれど、長くいればわかる事だってある。ねぇ、準さん。準さんはちゃんと向き合いたいんだよね。そうしなければ準さんの夏は終わらないんだよね。あの雨の日に決着をつけなければこの人は前に進めない。それは当たり前だと思う。俺にはよくわかるんだ。そして、練習に来てくれない、来れない和さんの気持ちも俺にはよくわかる。ずっとずっとずっと、この人達の背中ばかり見てきた俺には分かってしまうんだ。一年間。正確に言えば、たった半年だ。俺達三人が一緒に野球が出来るのは。上手くいかないものだ。はぁ、と思わず出たため息は準さんに届いたらしいく怪訝な顔をされた。忘れてたけど今は投球練習中だっけ。ごめんね準さん、へらっと笑えば、更に微妙な顔をする。次に来たボールはやっぱり速球で練習じゃ投げない速さだ。ミット音で気がついたタケさんが不思議そうにこっちを見てるし、迅は迅で不安を全面に押し出してこっちを見てる。むぅ、ちょっと機嫌を損ねちゃっただけなのに大袈裟な。切り替え切り替え。座り直して構えれば、納得してくれた様で無表情に戻って構える姿が目に入る。待ってるからね、準さん。呟いた一言は真夏の青空に消えた。
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